- Column -

■ 意識

最近、ちょっと思春期の中学生みたいなことを考えてた。
そのお題も「人の意識は、死ぬとどうなるのか?」

今ここに「自分」という人間がいる。色々なことを考え、行動し、生きている。 自律神経系がどうとかそういう小難しい話は置いといて、自分の意思で体を動かし、 時に喋るし、呼吸もするし、走ることも出来る。
そのとき、「自分」の意識、欲求等を感じてる。 例えば「腹減った」と感じ、冷蔵庫の中の食物を漁るという行動に出る。
でもそれは、「自分」だから感じることが出来るのだ。他人の欲求なんて感じることは出来ない。 「あぁ、お腹空いてるんだな」と予測することは出来ても、感じることは出来ない。出来たらそいつは人間超えてる別の何かです。

そこで、その欲求や意思を感じることの出来る「自分」という意識は何なんだろうと考える。
他の人も、絶対に自分と同じように「自分」を感じてるはず。そして、それに従って行動してるはず。 それぞれが「自分」を持って行動してる。人間はこの地球上に何億もいる。その中で、何で自分なんだろう?

こういうことを調べてると、仏教だか何だかよく知らないけど、「前世」だの「輪廻転生」だとかって言葉を耳にする。 まぁ私は無神論者で科学人だからこんなものは全く信じないけど、本当だとしたら、 もし「自分」という意識が消えたら、その後、前のことは全く忘れ(というか、知らず)、 別の体を持って「自分」という意識を持って行動してることになる。
その人は前のことを全く知らないんだからそれを証明する手だてはないわけなんだけど、 つまりこれは自分が自分をなくし、他人としての自分を持って生きてるってこと。
…自分が死んだら他人としてまた生きる? 何のこっちゃ。

「死」ってやつは、よく「永遠の眠り」とかって言うように、 本当に当人も寝入るような感じで死んでいくんだと思う(死んだことないから分かりませんけどね)。 こいつが正しいと仮定すれば、自分が寝入るとき、どんな感じで寝入り、 寝入ったあとはどうなるのかということを想像すれば何となく「死」というもののビジョンは見えてくる。
寝入るとき、人によって差はあるでしょうが、私の場合ウトウトしてきて、 そのまま目を閉じたらもう起きるまでその後のことは分かりません。 完全に意識を失ってます。また、夢とかの話もあるけど、死んだら生命活動は停止するからそんなものは見ないこととしよう。 どっかの科学者の話では、夢は脳が情報を処理するときに、「見る」ように錯覚してるだけらしいし。
…話を元に戻すけど、完全に意識を失ってて、真っ暗で何もないです。何も考えることは出来ないし、 何か行動することも出来ない。時間の経過なども一切感じません。…まぁ勿論、これは意識の中での問題で、 実際は寝てるだけだから多少は動いてるんでしょうけど。

「死」ってのは、文字通りこれが永遠に続く、あるいはその時点で消滅するんだと考えれば妥当なのではないでしょうか? 意識は、その真っ暗闇の中でずーっと、時間の経過も感じずに、何かを考えることもせず、 ただひたすら漂ってる、もしくは消えてなくなる、と。勿論生まれ変わりなんて起きないだろう。 だって、何もないんだから生まれも死もクソもない。

まぁ「死」に関して語っても答は永遠に出ないだろう。 だけど、「自分」がこうして生きてて、意識してる以上、それをより良く保つために、 たまには考えることも悪くないんじゃないかな。一種の哲学ですよ。

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